アスペルガーが幸せになる、はじめての旅の仕事

2019年の8月、ふとしたことから「旅程管理主任」の資格を取りました。ツアーコンダクターと呼ばれることが多い資格ですが、旅行の添乗だけではなく、情報収集や分析、企画にもとても役立つ資格です。小さな散歩から一般的なイメージ通りの旅行の添乗まで、この資格を持っている人が活躍する場は多岐にわたります。

 

 

 

 

 

 

藤野はもともと実家が温泉宿で、ホテルでマネージャー勤務経験もあります。

 

長年運営している、「九星氣学」という講座をご受講くださった旅行会社の社長様が、九星氣学でいう所の開運旅行と本物の旅行業をマッチングしたら、たくさんのお客様や関係者が喜んでくれるのではないかとご提案くださったのです。九星氣学とは、9種の星を用いて、人の性格や相性、時の運気、場の運気を読み解く、中国から伝来した占術法で、中でも移動によって運気にどのような影響が出るかを分析し、積極的に運気が上がる方位に引っ越しや旅行などで移動することが特徴的です。こうした移動の中でも旅を「吉方位旅行」と呼び、多くの愛好家がいる世界なのです。

 

 

 

 

 

 

 

「吉方位旅行」のうち、方位について調べたり伝えたりする部分は長年学び教えてきましたが、実際にその結果によって人が旅をするのだから、旅の知識もあったほうがいい。これは当然のことです。より実践的なご提案ができるように。また、自分が提案した旅がトラブルの元にならないよう、万全にすることができるならとてもいい機会だと思い、私自身も資格取得にチャレンジをし、またカリキュラムも構成し直し、全体のバランスを整えました。

 

 

 

 

 

 

根が真面目なので、一生懸命勉強もしましたし、資格取得後すぐに「お散歩ツアー」と称してお客様を募って、築地の開運スポットを巡るというイベントを決行してみました。資格を取ったとはいえ、経験ゼロの私を応援してくださるお客様がすぐに集まってくださったことには感謝の言葉が追いつきません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、このチャレンジを始めてから、自分の心が徐々に動き、蓋のようなものが開き始めたことを実感せずにはいられません。

 

私はもともとバックパッカーでした。とはいえ、子どもの頃から車酔いもひどく、道にも迷いますので、心底からの「旅好き」ではなかったのですが、バックパック一つで世界中旅をして、こんなことが幸せだったのです。

 

発達障害の診断を受けたのは大人になってからのことなので、ずっと自分がアスペルガーだという自覚はありませんでした。でも物心ついた時から「変わったこ」と言われることが多く、特に小学校に上がって集団生活に入ってからは、たくさんのトラブルが起きましたし、そのことがどんどん私には重荷になっていきました。小学生の頃は体調不良と、時々起こるいじめに。中学生の頃は、思春期特有の人間関係の複雑さに苦しみましたが、勉強という心の支えがあったことは幸せなことでした。そして進学校に進むと、全員が同じくらい勉強ができるという環境になって、すっかり自分の存在意義がわからなくなって燃え尽き症候群のようになり。大学受験に失敗して通った予備校で、文章を書くことに触れてまたようやく活路を見出し、そして大学生活は私に取って夢のように幸せなひと時となったのです。

 

大学では専門分野を学びますから、好きなことだけ学んでいればいい。どれだけ一つのことに没頭してもいいのです。クラスという単位がほぼなくなり、サークルにも属さなかったので、私は完全に自由になりました。人とつるまず、アルバイトと旅を繰り返し、本当に幸せで幸せでたまらなかったのです。

予算の関係でたまたま渡航した中国に強い興味を惹かれ、何度か渡航し、そして留学するまでに親しむようになりました。まだ発展途上の色合いが強く、そこでの風習や人の個性は強烈で、私のちょっとした個性など完全に薄まって気にならなくなりました。留学生の住む寮には、200カ国からの学生が集い、さらに多様性の中で暮らすことになります。日本の大学に帰国した後はヨーロッパ旅行などにも出かけ、陸路で何カ国もめぐりました。

 

旅は私に取って、自由と多様性の象徴のようなところがありました。

 

でも、大学の卒業一人旅を最後に、私は卒業と同時に結婚をし、新入社員として働き始めることも重ねたので、いきなり始まった家庭生活と社会生活にあっという間に心身は押しつぶされました。その後、どこで家事はいつまでたってもうまくできず、どこで働いてもクビになり、苦悩と言っても良い日々が続きます。

子どもが生まれるのと同時期に起業をし、不器用に小さなネットショップを続けてきましたが、それも不器用さと体調不良といつも隣り合わせ。やがてその仕事も傾き、多額の借金に潰れそうになって介護のアルバイトに出た頃、ふとしたきっかけで「発達障害」と診断を受け、そのことをテーマに本を書いて、私は自分のハンディについて語り続ける日々に突入しました。

 

本もヒットし、テレビなどに出る機会もいただき、私の生活は格段に向上しました。たくさんの人に応援していただいて、こんなに恵まれた生活が送れるようになるとは夢にも思いませんでした。

 

でも一つ難点を言えば、今のテーマは「発達障害」なので、私は診断を受けて以来、ずっと自分の弱さについてフォーカスし続けているのです。発達障害について考えることは、自分にとっても助かること。このことが人の役に立つなら本当にうれしいのですが、では、発達障害の影響をクリアして、私は何をしたらよいのか、もっと明るく前向きなテーマにも取り組みたいという思いがいつもあるのです。ライフワークであるバッチフラワーレメディを、私ほど愛して、たくさんのことを考え、手を動かした人はなかなかいないでしょう。でもそこでもフォーカスするのは、マイナス感情というテーマであって、では、気持ちが落ち着き前向きになったら、いったいそこから何をするのか、私はいつもその先がないような気持ちに苛まれていたのです。

 

ちょっと旅の資格を取って、旅の仕事の本のはじめのはじめをかじったからといって有頂天になってはいけないと自制心を一生懸命働かせています。でも、もしかしたら、あの自由で刺激的で、いかにも自分の世界を広げるパワーに満ちた、旅の世界にまた関わっていかれるなら、うれしいです。学生のころのような若さや、パワーはないけれど、大人ですから少しの知恵や、それから「仕事」というものの経験はあります。

発達障害の課題をクリアして旅に出よう。マイナス感情をクリアして旅に出よう。私も、そういう世界を持ってもいいですよね。仕事じゃなかったら、体調不良やマルチタスクを恐れて絶対に旅行なんかしないのですが、仕事だったらがんばれる気がします。

 

好きなことができますように、幸せになれますように。

 

 

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