アスペルガー経営者のアズ直子です。
今日は、
「アスペルガーと過ごすのに、家族よりもっと大変なのは仕事仲間だろう」という話。
日テレの人気バラエティ番組、
「ザ・世界仰天ニュース」に出演してから1週間が経ちました。(2015年12月9日放送)
私という、アスペルガー症候群の当事者が幼い頃から様々な違和感を抱えながら成長し、
試行錯誤の末、家族の理解と協力で幸せになることができたというストーリーです。
実際、再現ドラマで描かれたよりも娘などは嫌な思いをしており、
夫も穏やかではいられないこともたくさんありました。
「家庭崩壊するかな」というくらいの危機を感じた時期もあったのです。
本当に、「乗り越える力がある家族」でいてくれたことに心から感謝してます。
そして今日の本題ですが、
テレビでは全く語られなかった、もうひとつの家族が私にはいます。
それは広尾のオフィスで共に過ごしている仕事仲間。
”広尾88スタジオ”という愛称のオフィスが私の拠点ですが、
それぞれに事業主である人たちが集まって場を共有している、
言い換えたら「自由業の人たちの溜まり場」になっているのです。
全員独立していて、私が雇っているのではないのです。
「家族」というと温かくで絆が強い印象を受けるかもしれない。
そうではなくて、家族以上に一緒にいる時間が長くて、
そして、家族以上に迷惑をかけて振り回している人たちと言う意味です。
お仕事を共有すると、
お金のこともあるし、それこそ「ミスできない」とか「責任」というものがつきまとう。
家族にもひどい負担をかけましたがいまは落ち着いているので、
現在最もアスペルガーと一緒にいる苦労をしているのは確実に仕事場の人たちです。
いま一緒に働いている広尾88スタジオのメンバーを紹介します。
2010年にフェイスブックを通じて出会った藤野淳は、
群馬の伊香保温泉で働いていたものが、
2012年に飛び出すように上京し、それからずっと一緒に仕事をしています。
(藤野淳公式サイト:http://fujinojun.com/)
(元八百屋です。)
彼の来歴は激動そのもので、
私の著作である「あなたにも起きるフェイスブックで本当にあった奇跡の物語」の、
第4章にそのことを描いています。
もともとは群馬の商家の四代目として生まれた金持ちの坊ちゃんで、
億単位の仕事をずっとこなしていたと。
それが事業が破産し、夜逃げをするという経験をして、
隠れるように暮らしていたところを、
フェイスブックを手掛かりに、
もう一度経営者に戻るという再起をかけたという人物です。
出会ってすぐ、
私の会社の十数年来の大赤字を3ヶ月で立て直してもらい、
自分でできなければまた同じことが起こると、
体系立てて、彼からビジネスの基本を習ったのです。
伊香保温泉には習う為に随分通いました。
「ビジネス」と一口に言っても、
様々な働き方や得意分野が人にはあり、
私がもともと得意だったのは、インターネットを活用した、
人との関わりも少ない超小規模な在宅仕事です。
ただ、ビジネスの基本の仕組みを知らなかったため、
それすら大赤字でした。
インターネットの世界と健康関連業界はずっと見てきているので、
ツイッターやフェイスブックなどのインターネットの流行に乗るのは得意です。
そして書くことが好きですから、
情報発信では人気を得やすいという特徴があります。
対して、藤野淳は商家の4代目という生まれなので、
生粋の商売人です。
スーパーの跡取りとして、食品(特に野菜)を中心に、
お店での小売から、ホテル相手の大規模事業も経験しています。
ですから、お金・人・商品・情報の扱いが身についていて、
そこが抜けていた私に、その基本を教えてくれたということなのです。
反対に、女性相手の繊細な気遣いと根気の必要なお仕事は苦手なようです。
簡単に言えば「八百屋で体育会」です。
藤野の経営していたスーパーには40名以上の従業員がいたそうですが、
その中に多くの身体障害者や、今思うと発達障害者が含まれていたそうです。
今日、試しにスーパーマーケットに行って観察してみて欲しいのですが、
スーパーにはありとあらゆる仕事があります。
仕入れ、調理加工、陳列、
営業、接客、レジ打ち、清掃、
POPなどの販促品製作、広告制作・・・・。
様々な仕事があって、場合によっては従業員の個性に合わせて、
分業で成り立っている世界です。
藤野の話で面白いのは、
地元の名士であった曽祖父、祖父、父親は障害者を多く雇用し、
本当にうまく個性を見極め、教育をし、
そして立派に死ぬまで仕事を全うさせてきた家庭だというのです。
なにせ、社員寮や食堂だけではなく、
身寄りのない人のお墓まで用意していたそうですから。
アスペルガー vs 元億万長者の体育会
ですから、ひどいケンカを随分繰り返しました。
今も仲が良いわけではないのですが、
お互いにテンションが高く執念深いので、
ひどく傷つけ合いながらも、大きな成果を夢見てがんばっているところです。
少なくとも、この4年間で、
お仕事で関わった人の多くは離れていきましたが、
藤野だけは、あきらめずに見捨てずに一緒にいます。
アスペルガー的な感覚かもしれませんが、
世の中の大半の人に、とても気を使って過ごしているので、
安心して牙をむけるのが、私には一番ありがたいことです。
いまでは、私というアスペルガーを経営者として成功させた実績で、
講演会などに藤野が呼ばれることも増えています。
日本では極めて珍しい、「発達障害経営者サポーター」です。
千葉の成田にエステサロンを持っている黒岩ユミは、
月に2~3回ほど広尾に来ては、なにくれとなく人の面倒を見ては帰っていきます。
(黒岩ユミ公式サイト lachance33.com)
とても若々しくきれいな人ですが、
4人の男子を女手ひとつで育てあげた、気合いのシングルマザーです。
そのため子育てのことはもちろん、
大きな困難にぶつかったときの肝の座り方は半端ではありませんし、
人の相談に乗ることもとても上手です。
4人の男子を最低コストで立派に育てあげた、
病気にさせない健康管理法は、多くの人の助けになっています。
「耳ソロジー」という独特のマッサージ法を確立し、
それが私の著書に書いた、「パニックを起こしたら耳を揉む」という方法とリンクし、
ユミさんとも数年来コラボを続けています。
都内から通う、平郡眞紀はコリはがしという愛称で、
広尾88スタジオを拠点に、「発達障害者のためのアロマセラピー」を手がけています。
(コリはがし公式サイト:http://korihagashi.jp)
元は検査技師という国家資格を持って、病院で働いてた人が、
何を思ったのか1000万円以上をつぎこみ様々なセラピーを学び、
多くのお客様に触れられるからと、高給が取れる病院を辞めて、
大浴場のアカスリとマッサージから自分を鍛え上げたというツワモノです。
彼女は明らかに発達障害者の特徴を強くもっており、
とにかく真面目で頑固で、職人そのものです。
その弟も仕事仲間なのですが、やはり職人、テレビ局で働く美術さんで、
その専門技術を生かしてYouTubeなどの動画について随分教わりました。
もうひとり気持ち悪い人がいて、
かたやま伸枝は40年のキャリアがあるタロット鑑定士です。
「ゆめよみ」という独特の方法で、
人に絵を描かせては深層心理を読み解く能力を持っています。
(かたやま伸枝公式サイト:http://yumeyomi.com/)
気持ち悪いというのは、性格的にはおとなしく人当たりのよい方ですが、
占うと本当に薄気味悪いくらい当たるので、だんだん怖くなってくるのです。
特によく当てるのがお金のことなので、お金に困った人がよく駆け込んできます。
ちなみに酒が入ると豹変して、口の悪い「みどりさん」という別人格が出てきます。
芸能界などにもファンが多く、
夢枕獏先生の審査により大賞をとったこともある小説家でもあります。
この方も明らかに発達障害者の特質を持っています。
時々自分を見ているような気持ちになります。
それぞれに、少しの弱さと、
そしてなんとしてでも乗り越えようという強さのある人たちです。
少しの弱さをお互いに支え合い、
乗り越えようという強さが、アスペルガーと一緒にいても負けないずうずうしさになっています。
「いい人たち」ではなくて、「人がいい人たち」です。
全員よく騙されますし、宣伝下手です。
私の話を嫌という程聞いていますし、なによりも私と一緒に働くということをやり遂げています。
ぜひ頼りにしてください。
このブログを読んでくださっている皆さんの悩みに対して、
きっと誰かが答えを持っているのではないかと思います。
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https://asnaoko.com/asperger/entry-2/
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(読者の皆さまへ)
アスペルガーと似ている状態には、
認知症でも、貧血でも、老化でも、愛情不足でも、教育不足でもなります。
薬があるわけではないので、
生活習慣や人間関係の工夫など、共通の対策でずいぶん楽になります。
私がお伝えする事に、
「私と似ている」と思う事がひとつでもあれば、
このブログはとても役立つはずですから、ぜひ継続して読んでください。
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お母さんがセラピストとして活躍できるコミュニティをつくること。
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発達障害と言われる状態が、
どのようにしたら落ち着き楽になれるのかということ。