2018年2月に新刊を出版したので、講演会の機会が増えています。
今回のテーマは「社会参加」。ルールや常識で秩序が保たれている社会に、発達障害の影響で心身に人とは違う感覚を持っている私が、どのように折り合いをつけて参加を果たしているかということを体験を通じて描きました。読んでいただくとわかることは、私も未だ発展途上で、日々試行錯誤を繰り返しています。
そして実際に私を知っている人、共に過ごす時間がある人は、多分、今までの印象と実情がかなり違うことに驚くと思います。こんなに苦手なことやできないことがたくさんあること、体調不良が軽くはないこと、反対に気性の激しさや強さがあること。そして講演会の会場に来ていただいた時に、さらに驚くと思うのです。たくさんの発達障害当事者の方々を目の当たりにして、私の本当の姿はこの強烈な個性を放つものであり、いつも接している姿は演技で塗り固めた「つくりもの」であることに。
著作にも書き、講演会では一層強めてお知らせしている私の考えですが、発達障害者が社会参加を果たすには今のところ2つの方法が圧倒的多数を占めると思っています。
・過集中を使い、偉業を成し遂げる。
・我慢に我慢を重ねる。
・過集中を使い、偉業を成し遂げる。
私の場合は文章を書くことですが、過集中を起こせば数日で本1冊分の原稿を書くことができます。周囲の音も聞こえなくなり、時間の経過もわからなくなります。過集中は大量に成果物を作り出すことや精密精緻な仕事をすることが叶いやすく、そのことを評価されれば、「他のことはできないけれど、これさえやってくれれば良い」と社会に受け入れてもらえる可能性が高まります。ただ、私の印象ではこうしたことができる人はほんの一握りで、本人が興味を持てることが社会のニーズと噛み合っていなかったり、何かを作ることはできても売り方を知らなかったするなどの理由で、生計が成り立たないことがほとんどです。他の人の助力が必要になりますが、特にアスペルガーには「コミュ障」が障壁となり人の協力をうまく寄せることもできない人が多いのです。
・我慢に我慢を重ねる。
現実的にはこちらが主流になると思います。新刊にもこの「我慢」がどうしたら少しでも楽にできるかをノウハウとして描きました。私の感覚では社会参加のためには「我慢8割」です。ほんの2割の達成感や人と繋がる喜びのために、体調不良や自己表現を抑えることなどへの気遣いが必要になります。我慢を重ねてもどうしても滲み出てしまう人との違いに強い葛藤を持ち続けることになります。
ですからどちらの方法を取っても、心身に負荷がかかります。努力をします。でも、もしも「社会」というシーンの中に私がいたら、「そこにいるだけで必死」だということを知っていただけるとうれしいと思うのです。結婚生活も、育児も、起業してからも20年近く~以上を過ごしています。社会経験は豊富な方で、介護や海外生活の機会があったことから、多様さについての経験値は高い方だと思います。それでも「必死」なのです。
こんなことを明かしながら、周囲の方にはこんなことをお伝えしたいと思います。強烈な個性を持ち、社会のルール、常識と噛み合わない、そしてコミュ障です。どんなに努力をしてもどうしても滲み出てしまう、嫌われる個性があります。言ってやりたいことはたくさんあると思うのですが、私たちはもう物心ついた時から、とっくに同じことをたくさんの人に言われ続けています。教えてあげたいと思うこともあると思いますが、それも同じようにすでになんども教えられている。でもできないのです。今更、「あなたは変」と言われなくてもすでに刷り込まれるように教えていただいています。今更、「嫌い」とまた言われなくても、出会った瞬間に嫌われて人が離れていく未来が頭に渦巻いているのです。
今からさらに罰せられなくても、体の痛みや孤独、生きづらさと表現されることを生まれた時から抱えることで、十分に罰を受けています。それで許してはもらえないでしょうか。
そして、発達障害の家族やパートナーを持つことで、振り回され傷つけられ、ストレスから心身に不調が出てくる「カサンドラ症候群」の方には、改めてお伝えしたいのです。私たちは変われないのでどうか逃げてください。または人を挟んでください。自分の力でなんとかできると思わないで欲しい。「変われない」、このことが確定してしまっているのです。
「カサンドラ症候群」の人に出会うとすぐに気がつくことは、そう思っているご本人もおそらくは発達障害であることが多い。コミュニケーションスキルが高いとは言えない。聞けば聞くほど、混乱やストレスを強めてしまう話しか出てこない。保護する人とされる人の関係ではないのです。同じ弱さを持つ人が出会ってしまっている。課題が2倍以上になってしまっているのです。
だから、逃げて、休んで、誰か助けてくれる人を探してください。あなたのことも助けてくれる人です。
今日も私はこれから我慢8割の時間を過ごします。8割の努力をします。ここに書いたことは2割の本音です。どうかこのことが伝わりますように。
私が代表をつとめる恵比寿・広尾に位置する広尾88アカデミーでは、植物療法(フラワーエッセンス)、占術、スモールビジネスノウハウを学ぶことができます。たくさんの方が楽しく学び、指導者として成長をしています。私自身は発達障害を持つ経営者として、セミナー運営の他、出版、講演、テレビ出演などを行なっています。「アスペルガーですが妻で母で社長です。」5万部突破。「ザ・世界仰天ニュース」で特集されました。
アスペルガーと似ている状態には、認知症でも、貧血でも、老化でも、愛情不足でも、教育不足でもなります。薬があるわけではないので、生活習慣や人間関係の工夫など、共通の対策でずいぶん楽になります。私がお伝えする事に、「私
と似ている」と思う事がひとつでもあれば、このブログはとても役立つはずですから、ぜひ継続して読んでください
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