発達障害者である私の、絶対に言えない本当の気持ち

「発達障害者である私の、絶対に言えない本当の気持ち」

発達障害をテーマにこれまで5冊の本を書いていますが、先日編集担当の方と話をしていて残念に思ったことがありました。

もしも本当に発達障害の影響による生きづらさを和らげたいと思ったら、自分の障害をカミングアウトして、周囲の人に助けてもらうのが一番よいのです。困っていなければ人に頼る必要はないのですが、「発達障害」という言葉が気になっている時点で、何らかそのために困っていることが察せられます。生まれつきの脳の発達の偏りで、体質や気質に非常に強い個性が出る。私にももちろん出ています。そのことで困っていなければ、それは障害ではなくて”個性”。”障害”と言われるものは、困っていなければただの個性で、困り始めた時にはじめて”障害”となるのです。

発達障害の影響で困っているときに、もはや本人は正常な判断をすることはできません。強いストレスを溜めている状態、自暴自棄になるなど情緒不安定に陥っている状態で正常な判断はできず、そこで大きな決断をしてしまうことで、どんどん人生は狂っていくのです。このことは本を監修してくださった、群馬県太田市のさやかクリニック院長の関根沙耶花先生に教えていただいたことですが、なるほど私もその連続でどんどん生きづらさが募り、うつ病なども繰り返し経験することになっていたのです。

 

ですから、発達障害による生きづらさを解決したければ、信頼でき冷静な第三者のアドバイスが不可欠です。

 

ところが、出版社での打ち合わせでは、「アズさんやさやか先生は、自立ができていてそれが可能かもしれないけれど、一般企業で働く様な当事者はまだそこまで手が届かない。」とのこと。例えば会社内でカミングアウトしたら解雇されかねない。うまく説明できないことから、差別にあうリスクもある。もしも優しい人たちに囲まれていたとしても、会社や社会の仕組みを変えるには時間がかかるから、一足飛びに発達障害者に合わせることも難しい。

 

おそらく多くの人に待ち望まれているのは、”いまある社会の仕組みの中で、ベストではなくても何とか持ちこたえられる方法が知りたい”のだという編集さんの思いが理解できたときに、落胆すると共に、そうかそこから一歩一歩進んで行かなければ、本当の解決には至らないのだという納得と希望も生まれたのでした。

 

発達障害者むき出して、人にサポートを求めてもうまく行かないことは、私も経験上よく理解できます。自分が社長になってみてわかるのですが、例えば会社という組織が存在する意味は、第一にはお客様の悩みを解決することで、そのために商品やサービスを考え抜くため、それをチームワークで運営維持するためです。働く人の心地よさは一般的にはその次。ときに、従業員の幸せを第一に考えてすごい業績を上げた会社の物語を聞くこともあります。障害者をたくさん雇ってうまく言っている素晴らしい会社があることも知っています。でもそうするためにはとてつもない努力の積み重ねがあったはずで、よほどの覚悟とリーダーシップがなければできなかったことでしょう。

 

会社と言われる組織の多くは楽々稼いでいるわけではありません。小さな会社の社長などいつもお金と追いかけっこをしているはずです。私もそうです。そんなときに、まずはお客様に喜んでいたければ商品が売れお金をいただくことができます。それが喉から手が出るほど、まさにいま、いただけないと困るので、時間がかかる働く人の幸せづくりを優先できない様な気がします。

 

会社はなかなか変われない。

社会はなかなか変われない。

 

そのことがわかると、いまある状態の中で、何とかやり過ごせる方法を書いて欲しいということもよく理解できたのです。

 

私自身が、社会参加するためには、

下記の2つの方法しか今のところはないと思っています。

我慢8割。

 

・過集中を使い人が驚く様な成果を示して、そのほかのことを許してもらう。

・我慢に我慢を重ねて、自分が苦手な環境やルールに合わせる。

 

どちらにしても、心身はボロボロになります。

 

こんなことを本にも書き、全国での講演会でも話、いくら現実的とはいえ切なくなることがあります。でも求められているのは「やり過ごし方」、それを肝に銘じなくては誰の役にも立てないのです。

 

もしも私が、本当の気持ちを言ってもいいのなら、こんな感じです。

 

・出かけたくない。

・一人でいたい。

・好きなことだけをしていたい。

 

どうぞ言ってください!と言われそうですが、絶対に言えない。

言おうものなら、「不登校」「出社拒否」「引きこもり」「自分勝手」「育児放棄」となるでしょう。

 

・樹や花と話していたい。

・幽霊やお化けの悲しみを癒したい。

 

一見、美しいファンタジーに見えるかもしれませんが、社会人が本当に誰もいない樹の下で会話しようものなら、すぐに「幻聴」「幻覚」と言われてしまう。講演会でこんなことを話そうものなら「オカルト」を教育現場で語るなと、一年先までいただいている講演会は全て消えることでしょう。

 

20年かけてつくりあげてきた、愛する仕事を維持するために。

もっとも大切な存在、子どもを育てるために。

 

その願いの方が強いので、私は絶対に本当の気持ちをむき出しにはしないのです。

 

こんな我慢づくしの生活の中にも光明があって、

毎月1度、縄文時代からある森をそのまま整備した植物園に、植物観察をしにいくことでバランスを何とかとってきました。植物を見ていればいいのですから、そんなに人のことを気にしなくて構いません。「きれいだなあ」くらいの植物との会話も自然です。広いところなので周りに人がいないシーンもよく生まれ、心から楽しむことができます。

植物の色や形には、人の心を動かす意味があり、そのことを直感的に捉えることを、「植物と話す」と私は言っているのです。

 

 

紅葉の一番美しい瞬間。

雨の日のお楽しみ、花と水滴の美しい共演。

水玉の様な白雲木。この樹の種は土中で20年を耐えることができます。

森の主、「物語の松」

実の写真を撮り続けるとなぜかお金が豊かになります。

特別ゲスト。アールヌーヴォー。

 

もしも発達障害と診断を受けているご家族がいらっしゃったら、月に数日でいい、植物園でなくてもいいので、「不登校」「出社拒否」「引きこもり」「自分勝手」「育児放棄」をさせてあげてはいただけないでしょうか。「幻聴」「幻覚」「オカルト」を許してはもらえないでしょうか。この言葉を使うとネガティブとしか思ってもらえませんが、そこに込められているのはただ、「本当はこうしたい」というささやかな願いであるだけなのです。

 

 

 

私が代表をつとめる恵比寿・広尾に位置する広尾88アカデミーでは、植物療法(フラワーエッセンス)、占術、スモールビジネスノウハウを学ぶことができます。たくさんの方が楽しく学び、指導者として成長をしています。私自身は発達障害を持つ経営者として、セミナー運営の他、出版、講演、テレビ出演などを行なっています。「アスペルガーですが妻で母で社長です。」5万部突破。「ザ・世界仰天ニュース」で特集されました。

アスペルガーと似ている状態には、認知症でも、貧血でも、老化でも、愛情不足でも、教育不足でもなります。薬があるわけではないので、生活習慣や人間関係の工夫など、共通の対策でずいぶん楽になります。私がお伝えする事に、「私

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