発達障害の特性の中でも、私に色濃く出ていているのは、言葉を真に受けるというもの。「お手すきの時に」と言われればそのまま受け止め、本当に暇になるまで相当な時間相手を待たせてしまう。目に入れても痛くないという比喩に、「本当に目に入れたら痛いじゃないか。」と言い返してしまう。
この真に受ける性質は様々な形で生活に影響を及ぼします。特にコミュニケーションへの影響が大きいと感じています。発達障害の診断を受けてからは、この特性を理解し、工夫をすることでトラブル回避することが随分上手くなりました。同時に、周囲の人の理解も進み、私の特性を上手く利用して問題が起こらないようにすることはもちろん、より良いパフォーマンスを引き出してくれる達人もいます。
例えば何かの失敗が起きた時。よく口にしてしまう言葉が「最悪!」です。「最悪!」「なんだよ、最悪!」「最悪〜。どうするの?」
この言葉が耳に届いた瞬間、「本当に最悪の事態が起こっているんだ!」と強い恐怖に駆られます。どうしよう、飛んでもないことが起こってしまった、きっともうダメだ!発達障害者である私には、物事を悪く悪く考えてしまう癖があります。このネガティブ思考は気質でもありますが、セロトニンという情緒を安定させるための物質が生来少ないので体質でもあります。「最悪」という言葉に刺激され、私の脳内では悲劇や惨劇のイメージが繰り返されてしまう。大人になってからは、自身の特質を学び、「最悪ではない、口ではそう言っているだけだ。」立ち止まれるようになりましが、それでも動揺を鎮めるまでには時間がかかります。
「最悪ではない、口ではそう言っているだけ。」
よく考えてみてください。「最悪!」と口にしている時に起こっていることって、本当に最悪の事態でしょうか?些細なことでも「最悪!」と叫んでいませんか?
例えば、朝の忙しい時間に子どもが飲み物をこぼした、傘を持っていないのに急に雨が降ってきた、電車に乗り間違えてしまった・・・。確かに落胆はするかもしれませんが、こぼしたならさっと拭けばいい、傘ならコンビニで買えばいい、乗り間違えたら気を取り直して乗り直せばいいではないですか。
そう、きっとただの口癖。びっくりすると、とっさに「最悪」と口走ることが癖になってしまっているのでしょう。
提案があるのですが、今後は「最悪」と感じたら、「大丈夫!」と言うルールにしませんか?「大丈夫、拭けばいい。」「大丈夫、傘を買おう。」「大丈夫、乗り直そう。」ハプニングが起きただけでも、発達障害者の心は動揺しています。傷を広げるより安心させてもらったほうが、事態はよくなると思います。
もしも本当に大変なことが起きた時こそ、「大丈夫」と言って欲しい。もしも大怪我をしてしまったら、手当や救急車を呼ぶなど必要な措置をとりながら、言葉は「大丈夫!」にして欲しい。学校の先生に研修でよくお願いしています。「血まみれでも、大丈夫と言ってあげてください。」と。先生のその一言で、どんなに子どもは安心をすることでしょう。非常事態である時ほど、まずは心を落ち着けるよう助けていただきたいと思います。
ランキングの順位があがると、
より多くの人に私の思いが伝わります。
バナークリックで応援をよろしくお願いします。
↓ ↓ ↓