「心と体はつながっている」とよく言いますが、それを本当に実感するシーンを思い浮かべることはできるでしょうか?
・緊張をすると手に汗をかく。
・怒ると顔が赤くなる。
・小さな子供が怖い思いをしたときにおもらしをする。
悪いことばかりではありません。
・ホッとすると肩の力が抜ける。
・うれしくてパッと表情が明るくなる。
・人を好きになって、心臓がドキドキする。
私の場合は、ネガティブな経験からこのことを思い知ることになりました。
初めて重いうつ病を患ったのは、20代の頃でした。大学の卒業、就職、結婚、そして結婚相手の家族の介護が一気に始まった時に、疲れと混乱でうつ病になったのです。ストレスに弱く、落ち込むことなどは度々ありましたが、病院に通うようなレベルになったのは初めての経験でした。
その時に困ったのが、体に出る症状の辛さでした。心が潰れいていることは確かなのですが、それ以上に体の痛みや症状が辛かったのです。肩、首、背中などが異様に痛い。嘔吐感が常に付きまとう。神経性頻尿(膀胱炎などと違い、何の症状もないはずなのに尿意が度々起きる)と診断されるほどトイレが近くなり電車などにも乗れなくなる。会社に行かれなくなり、介護も続けられなくなってしまったのは、体が理由でした。少しは前向きになれている時でも、体がついていかないのですから、動けない状態は何も変わりません。
潰れた心が、ここまで体に張り付いて、潰れた体を生み出してしまうとは。
そして、うつ病の診断や治療を行うのが、心療内科や精神科なので、どうしてもこの病を抱えた時には、家族や仕事場の人など周囲にいる人に「心」にフォーカスをされてしまうのです。
「リラックスするといいよ。」
「温泉にでも行ってゆっくりしてきたら。」
「気合が足りない。」
「甘えていないでがんばれ。」
と、優しい言葉から叱咤激励まで、精神論に向かいがちで、動かない体のことをどう伝えたら良いか途方に暮れたことを今でもよく覚えています。
うつ病になった時に、投薬治療をする場合、向精神薬には鎮痛作用も含まれていることが多いようです。体の痛みが起きることが想定内なのですね。ですから、薬を飲んでいる間は、痛みは薬の力で相当軽減されます。うつ病が寛解し、減薬や断薬が始まると、痛み止めも抜いていることになりますから、この時の痛みとの戦いがまた重たいものになりがちです。
薬は必要なものではありますが、肝臓などに間違いなく負担をかけるので、徐々に減らしていきたい。でも、痛みが出てくると、それをまた薬で抑えたくなる。この葛藤の繰り返しになります。
人を憎むと、確実に体は痛みます。
怒り、攻撃心や嫉妬心などは、中国医学では肝臓に負担をかけると言われています。興奮や緊張のスイッチが入ることで、体に力が入り、肩こりなどが起こりやすくなります。気がつかないうちに歯を食いしばり、私などはそれでは歯が割れてしまったこともあります。寝ている時にも緊張感が取れなければ、当然眠りは浅くなり、疲労が回復せず、だんだんと体調も悪くなっていくのです。
人を憎むと体が痛む。
まるで、このアグレッシブな感情を持ったことを罰するかのように痛みがやってくる。ルールを守らない人、約束を破る人、嘘をつく人、理不尽なことを強いてきた相手など、本当は何か罰したくて怒っているというのに、まず傷んでしまうのが自分の体だということは切ないことです。
この「憎しみ」という感情は、自分にとって放置しておくことができない、強い関心がある相手や対象に向かいます。どうでもいい人や出来事には憎しみは生まれません。自分がとても気になっているからこそ、正したいという気持ちがわきあがります。そしてこの「相手に関心がある」という基本に立ち返ると、憎しみでそれを表現してしまうことは残念なことで、本当なら、愛情や信頼関係を持って、相手を望ましい方向にリードすることができれば理想的です。
愛憎紙一重
可愛さ余って憎さ百倍
など、愛情と憎しみという、一見真逆の感情が、あっという間に入れ替わってしまうのは、「相手に強い関心がある」というベースが同じだから。思いをおポジティブに表現できているか、ネガティブに表現してしまっているかの違いなのです。
先日、大変な怒りを感じる出来事がありました。相手の顔を見た瞬間に「おぞましい」と感じ、まだまだ私も心が弱いと反省したのですが。ここでふと気がついたのです。私が憎しみを抱えている限り、どこかでこの気持ちは愛情や信頼につながってしまう可能性もあるのです。この相手に、愛情をまだ持っている自分がそこにいるなら、それこそおぞましいことです。
家族や友達、仕事仲間など、大切な関係性を維持したい相手となら、憎しみの感情を、どうやって愛情や信頼に戻そうか考える価値があるのですが、そうではなく、一刻も早く関係性を断ち切りたいと思う場合は、憎しみの感情を持つことは全く得策ではないのです。
思うことは、体に痛みを抱えていれば幸福感を高めることはとても難しくなります。痛い状態では朗らかにすらなれません。痛みを手放すには、やはり心のコンディションも万全に整えていったほうが良いでしょう。
そして、そんな痛みをもたらす代表的な感情である「憎しみ」は、愛と信頼とかなり強い結びつきを持っている感情なので、今目の前の腹立たしい人や出来事に対して、憎む価値があるかどうかから考えた方が良い。ばっさり自分の人生から怒りの原因を排除する方法があるのなら、そこから考えた方が良いのではないかということです。
もしも自分の力で、相手を憎む気持ちを変えることができないのなら、バッチフラワーレメディのホリーがとても役に立ちます。飲めば攻撃的な気持ちが静まり、愛情や信頼を回復する助けになりますが、愛も信頼もいらない場合、つまり関係性自体消し去りたい場合には、別のエッセンスを使う必要があります。断ち切りの働きのあるウォルナットですね。こうした繊細な使い分けが、バッチフラワーレメディの真価を発揮するポイントになります。
15.ホリー (Holly)
関係性が深い相手に怒りを感じることが多いあなたが、
大切な相手との間に愛情と信頼を取り戻すことができます。
科名:モチノキ科 和名: 西洋ヒイラギ 学名:Ilex aquifolium
製造方法:煮沸法 開花の時期:5~6月
ホリーのネガティブな状態
・怒り、嫉妬、恨み、疑い、憎しみ、苛立ちなどを大切な人に感じてしまう。
・相手への強い思いが、愛情表現ではなく憎しみになりがち。
・心配や愛情のあまりに、厳しい感情が抑えられない。
ホリーを使ったときに起きる変化
・大切な相手に愛情と信頼を持って向き合うことができる。
・愛情表現と叱咤激励のバランスをうまく保てる。
・優しい気持ちへの切り替えがスムーズに出来るようになる。