生きづらさを和らげていくには、
「お金」というファクターはとても重要。
発達障害だけではなく、
何かのハンディを負った場合、
そのことで生まれる生きづらさを和らげていくのに、
お金のあるなしは大きな分岐点になる。
たとえば体質などで通勤が辛い人が、
グリーン車の運賃を出せるなら、
仕事を辞めずに済む率はかなり上がるだろう。
地の利がよいところに居を構えられれば、
通学も通勤も、日々の買い物の、何もかもかなり楽だろう。
オーガニックなど体によい食材を日常的に食べても、
体調、情緒はかなり落ち着く。
でも今の日本ではオーガニック生活はかなり高価だ。
マッサージや整体など定期的に受けられたほうがいい。
でもこれも数千円からする。
一般科目はいい成績取れないけれど、
芸術やスポーツなどに才能があることがわかるとする。
もしも本当にそれが花開きそうな場合、
音楽もダンスもスポーツもやたらとお金がかかる。
一流になればなるほど、留学なども視野に入れてそれこそ巨額。
一芸を認めてくれる私立の学校などの学費も高い。
日本はみんなが同じにする「平均化」を価値とする国。
海外に飛び出せば楽になる気持ちもある。
でも、海外留学、海外生活にも、安くはないお金がかかる。
私自身は極めて裕福な家庭の子ではなかったけれど、
今は亡き祖父母の援助と、父がしっかりと働く人だったので、
なんとかなってきたように思う。
ちなみに父は70歳を超える今でも現役フルタイムで働いている。
お金があれば買える「生きやすさ」は必ずある。
ここから目をそらすと、買えるものも買えなくなってしまう。
教育福祉の世界では、
やたらとお金の話を嫌う。
学校ではビジネスを教えない。
だから小さいころからしておいたほうがいい準備が、
大人になってから慌ててすることになったりする。
興味深いことに、
生来なんのハンディも負っていない人が、
「お金がない」ということでどんどんおかしくなっていくのを、
経営者としてビジネスシーンに関わることも多いので、
見聞きする機会が多かった。
「貧困」って恐ろしいよ、人格まで変わっていくんだなと思う。
・精神的にネガティブになる。
・焦りや不安から、人に対して攻撃的になったり卑屈になったりする。
・小さな出来事にもパニックを起こす。
・簡単なことがこなせなくなる。
・SNSやゲームなどに現実逃避を始める。
・やたらと動いて、人と一緒にいようとするかと思えば、急に人を避け始める。
・多弁になる。
・大食いになるなど食生活が乱れる。
これって、まるきり発達障害者の生きづらさと変わらない。
生来の発達障害者に、金銭不安や貧困の問題がかぶったら、
本人は相当に辛いだろうし、
周囲の人も見ていて不安になるだろう。
不安にさせる人に仕事なんか頼めない。
こうしてお金のないところからさらにお金がなくなるという、
負の連鎖が始まるんだ。
だからこだわったほうがいい。
別に初めから大きなビジネスを考えなくてもいいから、
日々の節約とか、コツコツ貯金をすることととか、
もう少しがんばれるなら、出世することとか、自分の力でお金を生み出すこととかを。
ハンディを持っている当人が難しかったら、
ご家族ががんばれないかな。
ご家族も怪しかったら、
親戚に頼りにできる人はいないかな。
ご近所さんや地域で何か考えられないかな。
人の絆が薄い今頃では、こういうことは難しいのかもしれない。
でも成功している人や地域はあるところにはある。
6歳下の妹がダウン症であるために、
彼女が生まれたころから、私はなんとなく力をつけておきたいと思った。
学歴とか、結婚相手もしっかり稼ぎのある人をとか、
自分自身が働くことにも。
反感を買うことはわかって書くけれど、
「勝ち組」と言われる人が持っているものを私はしっかり備えている。
それは、生来の「負け」を持っていたから、
これ以上落ちて行きたくないと思ったからこそ、そうなったんです。
これからだってつくればいい。
これからだってパワーアップすればいい。
ただそれは、自分が心から望まない限り起こらないことなんだ。
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