【周囲への気遣い】福寿草ひとりじめおばさん事件

久しぶりに、白金の国立科学博物館付属教育園に行ってきました。白金台地に縄文時代からあるという森をそのまま植物園にしたものです。各時代の歴史や背景がある場所ですが、都会の真ん中にこれほど豊かな自然があることが驚きで、オフィスから近いことからプライベートでも仕事でも度々訪れる場所なのです。

立春になったばかりの今の時期に、ここで一番みたい花は「セツブンソウ」です。文字通り、節分の頃に咲くからこの名前。とてもとても小さい花で、地面をよく見ていなければ見過ごします。真っ白な花弁、そしてその中心には紫と黄色が散りばめられた、とても美しい花。

 

 

 

 

 

そして、「ユキワリソウ」も、小さな紫色の花を咲かせます。こちらも小さな花で、淡い紫はやはり気がつきにくく、宝物を探すように地面をよく見てやっと出会える花です。花開いた姿は、まるで笑顔が零れるようです。

 

 

 

 

もう一つ同じ時期に咲くのがフクジュソウ。福寿草ですから、「福」で、「寿」で、めでたいことこの上ありません。これも地面に咲く小さな花ですが、鮮やかな黄色で必ず見つけられます。何も色がない寒い季節にこの黄色はまるで太陽のような明るいエネルギーを私たちにもたらしてくれます。

 

 

 

 

 

 

これらの花を見つけると、寒く冷たい季節を抜けて、やっと春がやって来たんだという気持ちになります。

そして、そんな日に事件は起こりました。

誰もが見たい、この3つの小さな花たち。

私がまず見つけることができたのは「ユキワリソウ」でした。いくら探しても見つけられなくて諦めかけた頃、ひとつ咲きかけの花が目に入り、すると後から後から、その近くに咲くユキワリソウを見つけることができました。通りかかったおじさんが、「こっちにも咲いているよ」と声をかけてくれ、とても美しい一輪を見つけることができました。後から来たおばさんたちとも、ここに咲いている、あちらに咲いていると声を掛け合い、そんな大人の宝探しに、とても心が温かくなりました。

そして、フクジュソウが咲いているところを見つけると、そこには大きなカメラを構えたおばさんがじっとレンズを花に向けていました。影が落ちたら悪いなと、少し離れて見ていたのですが、一向にどきません。私の他にもフクジュソウを見たい人がやって来ても、写真を撮ることに夢中でどかないのです。

仕方がないので、後でまた来ようとその場を離れると、運良く「セツブンソウ」を見つけることができました。ところがそこにも大きなカメラを構えたおばさんが張り付いていて、待っても待ってもどきません。手を揃えて、少し離れてじーっと立って待っているのですが、全く、さっぱりどいてくれないのです。

先ほどのユキワリソウチームは(知らない人たちですが)、先にきて写真を撮っている人も、誰か来ればさっとどいて場所を譲っていました。さらに、もっと綺麗に咲いてる場所なども教えてくれて、とても好感度が高かったのに、似たようなカメラを持っているのに振る舞いは雲泥の差です。

待っても待ってもどかないから、仕方なくフクジュソウまで戻ると、まださっきのおばさんがいる。じゃあとセツブンソウに戻っても、やはりあのおばさんがいる。

二往復くらい繰り返し、やっとセツブンソウおばさんが顔をあげたので、思わず大きな声でお伺いしてしまった。

「すみません、私もお花の写真を撮ってもいいですか?」

と。

そこでようやく気がついたようで、「あら、ずっと私ばかりでごめんなさい」とその場を去って行きました。フクジュソウおばさんは結局全然どかないので、さっと手を伸ばし、写真を何枚か撮って退散しました。もっと近くじっくり見たかったな、フクジュソウ。

何かいいものを見つけたら、ぜひ後ろに人が待っていないか時々気遣ってほしい。いいものを見つけたら、ぜひ人と分かち合えるよう、空気を読んだらいいと思います。

 

 

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