「亡き人との再会、とら蔵をよろしくお願いします」
飼い猫のとら蔵が急死してから3日が経った。悲しくてもお腹は空く、悲しくても仕事はある。時という薬がどんどんとら蔵の記憶を遠ざけていくので、今は散々考えていてよいのだ。
とら蔵が亡くなった翌朝、リビングでとら蔵の足音を聞いたけれど、実はもう一つ目に見えない存在があった。
どうして急に死んでしまったんだろう、何があったんだろうなど、とら蔵のことばかり頭を占めていたときに、ふと人の気配がして、「あ、ひろみさんが来た。」と思った。ひろみさんは夫のお母さん、つまり私のお姑さんで、私が24歳の時に結婚した時にはすでに末期ガンで、1年余の闘病の末に亡くなった。あの時、若くて慣れない私はあっという間に介護鬱になってしまい、病院にお見舞いにも行かれなくなった。夫も仕事で見舞える時間は限られ、ひろみさんは随分私が来るのを待っていたようだ。もう20年近く前の話しになる。
ひろみさんは猫が好きだった。夫の実家には2匹の猫がいて、ひろみさんがよく抱っこしていた。1匹亡くなり、残った1匹は20歳まで生きて、ひろみさんが旅立つちょっと前に亡くなった。老衰で、目が見えなくなって、だんだんと弱り、先に案内するように亡くなった。
ひろみさんの友達からのお見舞いは猫グッズばかりで、人に気を使うひろみさんは、「猫が好きって分かっていれば、みんな助かるでしょ。」と言っていた。すごくきれいな人で、ミス青学だったそうだ。
その、ひろみさんが昨日ふと来た気配がして、とら蔵を抱っこしたように思った。夫に「ひろみさんが来た。猫、好きだったからとら蔵の迎え。安心です。」とメールすると、「それなら安心だね。」と返信がきた。とら蔵は抱っこが嫌いで、長く抱くと噛む。でも、たぶんひろみさんならうまく連れて行っていくれたと思う。それからとら蔵の足音は全くしない。
ひろみさんは長期入院の病室で私をよく待っていた。来なくなってからもたぶん待っていた。とら蔵も私の帰りを待っていたかも。「私もね、待たされたのよ。」なんて話すかもしれない。ひろみさんが随分早く迎えに来たのは、とら蔵が迷う前に待たせず来てくれたのかもしれない。
昨日まで家から出かけるたびに、とら蔵を置き去りにするような罪悪感に苛まれていたが、ふと今日思った。とら蔵も肉体を離れたなら、好きなところに行っていいはず行けるはず。「行ってきます。」と無人の玄関に声をかけていたけれど、「一緒に行こう」と言うことにした。どこにいるかわからない。ひろみさんのところで、ママはバカだなと思っているかもしれない。
NHKで、東日本大震災の被災地で、「故人と再会した」「声を聞いた」「気配を感じた」と行った”亡き人との再会”体験を語る人が後を絶たないという番組をやっていたのを思い出す。幽霊が本当にいるかどうかではなくて、どうにかして一目会いたいという気持ちや、亡くなった人にその後も幸せであって欲しいという気持ちに寄り添いたい。
そろそろ仕事をするか。私にとっては会社も家族のようなもので、待たせてはかわいそうな仲間、孤独死させてはならない仲間もいる。ひろみさん、とら蔵をよろしくお願いします。とら蔵には猫友がいなかったので、先の猫たちと引き合わせてやってください。
私が代表をつとめる恵比寿・広尾に位置する広尾88アカデミーでは、植物療法(フラワーエッセンス)、占術、スモールビジネスノウハウを学ぶことができます。たくさんの方が楽しく学び、指導者として成長をしています。私自身は発達障害を持つ経営者として、セミナー運営の他、出版、講演、テレビ出演などを行なっています。「アスペルガーですが妻で母で社長です。」5万部突破。「ザ・世界仰天ニュース」で特集されました。
アスペルガーと似ている状態には、認知症でも、貧血でも、老化でも、愛情不足でも、教育不足でもなります。薬があるわけではないので、生活習慣や人間関係の工夫など、共通の対策でずいぶん楽になります。私がお伝えする事に、「私と似ている」と思う事がひとつでもあれば、このブログはとても役立つはずですから、ぜひ継続して読んでください。
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