アスペルガーにはつらい、結論が出ない曖昧な経過報告。

セラピスト養成スクール、広尾88アカデミーのアズ直子です。

講演会ラッシュが一段落した所感です。

 

イントロダクション

 

2016年5月27日に、

梅田 蔦屋書店でのトークショーを無事に終えました。

 

「今年は講演会をやろう」と決めたわけではなかったけれど、

自然とそういう流れになり、

気がつけば半年以上、毎月必ず大きな講演会を運営している、

そんな数稽古をこなしていました。

 

講演内容を磨くために、何度も話を推敲しました。

全国で出会った、様々な立場の方の、様々な反応や訴えは、

私に何度も考えるチャンスをもたらしてくれました。

 

経験を積めば積むほど、

いまこうだと思っている方法だけが、正しいと思えなくなってくる。

 

でも、毎日新しい朝が来て、一日を心地よく過ごしたいわけだから、

正解がなくても、なんとかやっていかなくてはならない。

 

「いまある方法で楽しくしよう。」

そんな臨機応変な考え方は、曖昧さが苦手なアスペルガーにはつらい答えだけれども、

「正解を求めないことが正解だ。」というのが、

いま頼れる、いま一番いい方法かもしれません。

 

困っている人たちはいったい誰なんだろう?

 

たくさんの方たちと接する機会があって、

時々、分からなったのは、

「発達障害」というテーマに関連して、困っている人たちはいったい誰なんだろうということ。

 

「発達障害」による特性は確かにあって、それは穏やかに生活していくには、

場合によって足かせになるものもあります。

 

私自身も、不自由で不自由で嫌になることがたくさんあります。

 

ところが、当事者以上にその特性に困っている周りの人も多くて、

つきあいにくい、育てにくい、困ったことばかりする、傷つけられたと、

とても苦しそうにしている。

 

心から、大変だよね、なんとかしたいよねと共感しています。

 

でも、

「もっとうまくやればいいのに」

「もう少しポジティブに考えられないのかな」

「あなたが当事者を混乱させている元凶だよね」と思うことも。

 

中には、当事者本人は全然困っていない、問題意識がない、そのことが問題だという人もいる。

 

本人に困り感がなければ、極端な言い方ですが本人に必要な対処もないのです。

本人に困り感がなくて、例えばパートナーが疲れ果てて心を病んでいるなら、

心療内科に行く必要があるのは、当事者ではなくてそのパートナーの人です。

 

「当事者をどうにかしよう、してあげよう」という方向性が多い中、

 

私が講演会三昧の日々から得た感触は、

「当事者よりも周りの人のほうが困り感が強いなあ」ということだったのでした。

 

発達障害の特性は脳の発達の偏りによるもので、生まれつきの個性。

 

これを変えるのはとても困難ですから、

だったら、どんなに強烈な個性の発達障害当事者がいても、

うまく共生できる術を、周りの人が学ぶ機会を増やしたほうがいいんじゃない?と思っています。

 

そして、そんな周囲の人の中には、

その方ご自身に発達障害の生きづらい傾向が強く出ていることが多く、

生きづらいものどおし、トラブルなどが解決できず膠着している場合も多いようです。

 

まだこの、ケアやトレーニングは周囲にこそ必要という考え方、

そして対処は浸透していないと思います。

 

あんなにたくさんの会場に行って、

あんなにたくさんの困っている周囲の人たちをこの目で見ました。

 

まだまだ、できることがたくさんあると思います。

 

「配慮が必要な人」がこんなにいるならまとめてガイドライン持ったほうがいいのでは?

 

そして、講演会のために勉強すればするほど、

「発達障害」というものの正体が分からなくなってくるという感覚もありました。

 

確かに、「発達障害の特性」とされていることに気がつくと、

対策ができるので楽になる人も多いと思います。

 

例えば、音・光・におい・感触などへの過敏さとか。

コミュニケーションに関して、曖昧な言い方を避ければよいとか。

 

でもこうした特質は、発達障害者の人にばかり現れるのではありません。

似たような状態の人は、他のことが原因でもたくさんいるのです。

 

生まれつきの脳の発達の偏りではなく、

・育った環境や育てられ方による影響。「愛情障害」などと言われるもの。

・なんらかのストレスによるうつ病、統合失調症、認知症など。

・貧血など、なんらかの疾患の影響。

 

原因は違うけれど、苦しい状態が似ているのなら、

「発達障害」だけではなく、もっと大きな枠で「配慮が必要な人」への、

共通の接し方や、もっと大切なのは当事者の「問題を抱えたときの対策法」をまとめて、

ガイドラインを一本化すればいいのにと思っています。

 

どんな風に困っている人が現れても、対処に困らない社会なら、

いちいち騒がなくて済む安心感が持てるのに。

 

そして、こんなに生きづらい人が増えているなら、原因が何かあるのでは?

 

小麦や白砂糖、食品添加物が原因。

夜も活動がやまないライフスタイルが原因。

重金属が原因。

 

他にも様々な説がありますが、どれが正しいかは未だにわかりません。

 

こうした説はよく変わるので、

どうひっくりかえされても打撃を受けないように、

どれもほどほどにするのがいい。

 

間違っても、食品でも薬でも何かを大量摂取するなど極端なことはしないのがよいです。

 

とはいえ、白書などを見ると、生きづらい人は確かに増えています。

 

昔は、「変な人」でも居場所があったものが、

いまはパソコンなどでサクサク物事がかたづき、

面倒な人や、ひとつのことや簡単なことしか出来ない人の居場所は、

確かに少なくなってきているのかもしれません。

 

それにしても、あまりにも多くの人から悲鳴が上がっている気がします。

 

発達障害が増えた減ったではなくて、

いまの日本人の価値観や、ライフスタイル、ものさしそのものを疑ったほうがいいのかもしれない。

 

参考までに、専門講座のために書いた原稿の抜粋です。

 

かつては自然のリズムを読み解き、天体の運行を見ながら、季節を感じることができた。その季節の恩恵を例えば「旬の食べ物」などから享受していたものが、現在ではその「時のリズム」に心身をうまく委ねられずに苦しみが生じている。

 そのひとつの例として「睡眠障害」がある。

 もともと人間は昼行性で、日の出とともに起床し、日中に活動し、日が沈むと休むという生活が動物としての本来の姿である。ところがこの1世紀の間に、電気が使われ始め、現代人は夜遅くまで強い照明を浴び、また交代勤務や時差勤務体制の増加に伴い、夜に活動して昼間に眠るなど自然の昼夜とは異なった明暗サイクルで生活する機会も増えた。このようなライフスタイルの変化が生物的なリズム障害を引き起こしている。

 平成24年に日本の一般人口を対象として行われた調査によると、成人の21.4%が不眠を訴えて、さらに14.9%が日中の眠気に悩み、6.3%が寝酒あるいは睡眠薬を常用していることが明らかにされている。

 平成19年に厚生労働省が行った調査でも、国民の5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」「何らかの不眠がある」と回答している。 不眠症は、小児期や青年期には稀であり、20~30歳代に始まり、中年以降で急激に増加し、40~50歳代でピークを示します。 この背景には、人口の高齢化、ライフスタイルの多様化、生活リズムの乱れ、ストレスなどが関連していると考えられている。

 昼夜だけではなく、季節感のずれも生じ、特に「食」に対しての影響が大きい。 

 冷蔵冷凍や運送の技術が発展するにつれ、食料の長期保存が長距離輸送可能になった。このことによって遠く離れた南国の果物を食することができるなど、自分が生きる生活環境とは異なるリズムのものに収穫されたものを食べる機会が増えた。また食料自体、温室栽培や養殖、酪農などにより、人工的にしかも大量に生み出されたものが多く、食べ物自体が自然界のリズムと逸脱した状態で生み出されている。またダイエットの意識などにより、空腹を満たすため、生命維持のために食べるという必然性も失われ、現在食べるということに関してメタボや過剰なダイエットなどの問題がリンクすることが多い。また飢えの心配のないところでの文明病としてストレスが

「摂食障害」など食事に関連する病気が起こっているという現実もある。

 関連事項として「子どもの貧困」という問題が日本で深刻化していることをあげてみる。

 厚生労働省の調査では、平成24年に16.3%で過去最悪となり、17歳以下の子どもの6人に1人、300万人あまりが貧困状態にあるとされている。国民の平均的な所得の半分を「貧困ライン」と呼ぶが、その基準に満たない所得の低い世帯の子どもたちが6人に1人いる計算となる。(24年の貧困ラインは122万円)

中でも深刻なのは母子家庭などの「ひとり親世帯」の子どもで、貧困率は54.6%、2人に1人を超えている。日本の子どもの貧困率は先進国の中でも高く、OECD・経済協力開発機構が去年公表したデータで比較すると加盟する34か国中9番目に悪く、ひとり親世帯では最悪の水準となる。

 離婚などによるひとり親世帯の増加に加え、賃金の低い非正規労働者を増やしてきたことが貧困が拡大した要因とされる。貧困世帯の子どもの食事はコメやパン、めん類といった炭水化物が多く、肉や魚のたんぱく質やビタミン、ミネラルが不足していることもわかり、食生活や栄養に偏りがあることも明らかになっている。

 かつては縄文の「ムラ」の意識が人々を支えたことを考えると、「家族」という単位が最小限にまで人数減少していることも「ユニティ」の原則から離れていってしまっている一現象と言えるかもしれない。いずれにしても核家族化が進み、中でもひとり親家庭はこうした問題を抱えやすい。

 総合的に、いまを生きる私たちの価値観に触れてみると、例えば、国連が発表した「世界の国民幸福度」によると、幸せを感じている人が多い国の1位はデンマーク。以下、ノルウェー、スイス、オランダ、スウェーデン、カナダ、フィンランドと続き、アメリカは17位、韓国は41位という順位で、日本は調査対象国の中で一番低い43位。

健康や経済状態にも陰りがあるなかで、私たち精神的にも「幸せ」を感じることができないという局面にまで陥っていると言える。

 平成24年の厚生労働省の調査でも、「悩みやストレスの状況 」について、12 歳以上の者(入院者は除く。)について、日常生活での悩みやストレスの有無をみる と「ある」が 48.1%、「ない」が 50.6%となっている。 悩みやストレスがある者を性別にみると、男 43.5%、女 52.2%で女が高くなっており、 年齢階級別にみると、男女ともに「40~49 歳」が最も高くなっている。

 

結論が出ない曖昧な途中過程

 

経験を積んだら、よりいっそう分からなくなり曖昧になった。

それが私のいまの現実です。

 

約一ヶ月は、ビジネスに専念し、

7月から今度は全国教育機関での講演会が始まります。

 

問題提起の行脚となるかもしれません。

 

 

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