私は大人になってから発達障害の診断を受けた当事者です。スタートは「アスペルがーの傾向の強いADD」という診断名でしたが、制度や医師によって何度かの変更があり、現在は「多動性の強い自閉症スペクトラム」と診断名的には名乗るようになりました。
2011年に『アスペルガーですが、妻で母で社長です』という本を出版し、それがテレビで紹介されたことから、たくさんの講演会や研修の機会をいただき、ずっと「発達障害」を説明することに携わってきました。うまくできているかどうかはわかりませんが、このことについて試行錯誤を繰り返してきたことは間違いありません。
では果たして、私自身が「発達障害」をうまく伝えられているかというと、まだ課題は多いと感じています。なぜなら私は発達障害の特質によって、人に違和感を与えたり、迷惑をかけたりすることを極度に恐れるタイプなので、発達障害の教科書的な説明をいくらうまくやってのけたとしても、私自身とその説明がリンクしないので、私の問題が解決しないのです。
「全然、そんなふうに見えないけど。」で終わり、健常者と同じ生活を送ることになります。もちろん心身への負荷がかかりますから、そのストレス解消やメンテナンスは自分で工夫をして行っています。相手にわかってもらえているという実感はほとんどなく、成果を感じられていないというのが現状です。自己解決型になっているのだと思います。
まとめると、一般的な説明はうまくできているかもしれないが、人にうまく伝えて理解してもらう、助けてもらうというところには至っていないということです。たくさんの人に支えてもらえている感謝はありますが、発達障害の特性がうまく伝わってはおらず、そこにサポートはうまくはまっていないと感じています。
反対に、「発達障害」を伝えられる立場になると、これもうまくいっているとは思えていません。
自分が診断を受けたときに、診断名を手がかりに探し当てた専門書や医学書はとても役に立ちました。自分の体質や気質を知り、環境を整えることができ、生活は一変しました。でも伝えられたというよりは、勉強させてもらったという感じが強いです。それも伝え方なのかもしれませんが、本が優秀だったという印象です。
講演会などで出会う当事者やご家族の方から伝えられる発達障害は、私には辛いコミュニケーションであることが多かったです。悩んで苦しんでいるから当たり前だけれども、話が混乱しているし、辛くて苦しいという感情が先立つことが多く、自分が責められているようで申し訳ないような気持ちで聞かなければならない。「起こったこと」を初めからいまに至るまで全て説明されることも多く、時間の長さや、待っている人の目、また何が一番伝えたいことなのかがわからなくて苦しかった。仲良くなった当事者の方とおしゃべりしている分には楽しいことが多いのに、「発達障害を伝える」ということになると、うまくいっていないコミュニケーションがほとんどのように感じています。
私も下手だし、皆さんも下手。ここは今後、たくさんの人に伝えて助けてもらいたいなら真剣に改善されたほうがいい分野だと思います。
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