【こよみすと】東京龍脈案内 黒湯と不思議な夢

 東京にはたくさんの温泉が湧いており、そして、そのお湯は、茶褐色から墨汁のような漆黒まで場所によって個性がありますが、「黒湯」と言われる一種の濁り湯です。にごり湯の色は五色に大別できることを知っていますか?

 

 私は中国に学生時代は北京に留学し、その後家族が上海で長年駐在を務めるなど、中国文化に強く関心を持つ環境で過ごしました。特に中国古来の知恵が詰まった「暦」を愛用、研究していることから、物事を中国風になぞらえて考える癖があります。

 

にごり湯の色は、中国の哲学思想である「陰陽五行思想」で言われる、色の分類と完全に一致します。

木 青・緑  那須温泉(栃木)湯布院(大分)
火 赤    血の池地獄(大分)
土 茶・黄金 伊香保温泉(群馬)・有馬温泉(兵庫)
金 白    白骨温泉(長野)
水 黒    東京、横浜、千葉、埼玉の黒湯

※湯元によって異なることがあります

 

 まず、東京にこんなにたくさんの温泉が湧いている、そのことも驚きですが、五色の中でもインパクトが強い「黒」であることには感動すら覚えます。黒は水の色。そして、愛情運と財運の色です。いかにもいいことがありそうじゃないですか。さすが日本の首都東京です。

 

 都内在住ですから、早速訪ね歩くことができるのも魅力です。黒湯は銭湯として親しまれていることが多く、入浴料470円(2020年現在)というコストパフォーマンスも素晴らしい!そういうわけでどうしても黒湯を深く知りたくなり、毎晩仕事が終わるとひとつひとつ訪ねて歩くようになりました。どんなに遠くても片道30分もあれば行かれます。毎日ゆっくり温泉に浸かれるなんて夢のようです。

 

 こうして黒湯の日々が始まると同時に、不思議なことが起こり始めました。6才から不眠症の私ですが、黒湯が湧く周辺には坂が多いことからかなりの運動になり、黒湯がとても温まることとから、はっきりと黒湯通いのその日から眠れるようになりました。何時間も寝入りにかかっていたのに、ベッドに入れば割とすぐに眠れ、そして途中で目が醒めることもありません。まとまった時間眠ることができないので、いつも疲れが残っていたのですが、0時に眠ると8時に、最近では9時に目覚めるようになりました。こんなにまとめて眠れるのは人生初の出来事です。

 

 そして夜な夜な不思議な夢を見るようになりました。まるで映画を見ているようなカラーで鮮明な夢。夢の中で出会う人とはっきり会話も交わします。それは日に日にリアルさを増していき、今では、映画を見ているというよりは、自分自身が映画の登場人物になってそこ生きているという印象です。本当にあった出来事を夢見る日もあれば、荒唐無稽なストーリーであることもあります。目覚めると、さっきまで見ていた夢の感触が身体に残っていることもある。

 

これは黒湯の魔法でしょうか。夢が見たくて黒湯通いが  やめられないのです。

 

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