2016年11月は講演会のラッシュだった。
講演会のスライドは、毎回その地域に合わせて多少変えるけれど、
ふと、なんのきっかけもなく、
少しだけ好きなことを言ってみた。
いつも言わない本音を盛り込んでみた。
「出かけたくない。」
講演会に呼んでもらえなくなるかもしれないから言わなかった。
「ひとりでいい、ひとりがいい。」
人が本当に苦手なので、ひとりでいるか、
気を使わない人だけいればいいと思っているけれど、
親切にしてくれている人に悪いから言わなかった。
「変えたくない。」
食事に興味がないので、海外旅行先でも毎日同じものでいい。
毎日同じ食事に誘うと怒る人もいるので言わない。
「徹底したい」
もっとこうしたほうがいい、ここがおかしい、ここがわかりにくい。
人の仕事に言いたいことはたくさんあるけれど、かわいそうだから言わない。
「しゃべっていたい」
弾丸トークで好き勝手にしゃべりつづけていたい。
一方的にしゃべっていい講演会が好きだ。
だからこの仕事を失いたくなくて、言えないことがたくさん出てくる。
「樹を見ていたい」
人は本当のことを言わないし、アドバイスは大抵役に立たないし、
樹のほうが正しいことを感じさせてくれるし、姿も美しい。
言えばいいのにと思うでしょうか。
でも実際、日常生活の中でこれを言えば嫌がられることばかり。
学校に行きたくない、出かけたくないというだけで、
世間では大騒ぎだ。
講演会も、相手の話を聞かずにひとりでしゃべっていいというだけで、
喜ばれないことは話さない。
求められていること、喜ばれることだけを選んで話す。
だから何度も呼ばれる。
人は聞きたいと思う話をしてくれる人が好きなんです。
全部で6回あった11月の講演会の中で、
静岡市と荒川区では時間にかなり余裕があったので、
役立つ情報に挟み込む形で、
上記のことを話してみたのと、
最後に少し時間を残して、「松の木の話」をした。
時間があったのと、
静岡の会場には号泣しながら聞いてくれているおばさんがいて、
荒川の会場には手を叩いて聞いてくれているおじさんがいて、
なんだか余計な話をしてもこの人たちなら喜んでくれそうと思えたから。
今年、日本にいると気が休まらないので、
オーストラリアのメルボルンに旅行に行った。
無駄な海外旅行と自虐的に言っているけれども、
私はせっかく海外に行っても、ホテルに1時間ごとに帰るペースでないと苦しくなる。
知らない土地、食べたことがないもの、
本当に慣れないところに弱くて体調不良を起こすから。
3回目になるメルボルンだけれども、
実はホテルの近所を散歩するくらいしかできていなかった。
なんとなく大丈夫な気がして、
タクシーで、ずっと興味があった王立植物園に行った。
片道30分。
ちょっと門の周りを散歩して帰れば大丈夫かも。
でも、5万点もの植物が植えられていて、
しかもひとつひとつが巨大で自由闊達な、
オーストラリアの植物たち。
倒れてもいいやと思って、うろうろしているうちに、大きな松の木に会った。
日本でみる松の木は群生していて、
上のほうにだけしか枝がない。
習ったことだけれども、松の木は自分が大きくなると、
他の植物への日光を遮らないように自ら自分の枝を落とす。
いつも、申し訳ながっている、自分はここにいてはいけないと思っている樹。
バッチフラワーレメディでいえばパインだ。
自分を許せないという気持ちを、パインのエッセンスを飲めば消すことができる。
オーストラリアの松の木は、土地が広いので、1本1本独立して立っている。
周りに遠慮する必要がないと、松の木は横に伸びるのだ!
枝を好き勝手に伸ばして、横に横に広がっていく。
全くすまながっていないように見えた。
松の木のそばに都合よくベンチが置かれていたので、
30分くらいそこにいた。
そこにいただけ。
光が差してくるとか妖精が出てくるとか、
別に何も奇跡的なことはなかったけれど、
私は帰り道、3時間くらいうろうろしながら歩いてホテルに帰った。
当て所なく歩くことが20年以上できなくなっていたのに、
それができた。
その日から、毎日飲んでいたお酒を、
ほとんど飲まなくなった。
たぶんそれは、
痛む体と心への麻酔がいらなくなったから。
講演会を終えてしばらくして、
荒川の講演会については主催担当の方から、
「言わないほうがいいと思っていた部分」を、
アズさんは完璧に見えていたが、
弱いところもあることがわかりよかったとメールをいただいた。
静岡の講演会については、集計したアンケートをいただいて、
「松の木の話がよかった」と書いてあった。
それから少し、好きな話もしてもいいのかなと思えた。
発達障害者の人は気をつけてこのブログを読んでほしい。
たまたまこのときは許されたけれど、
私のように「きちんとした人」と評価を受けているアスペルガーでも、
感じるように話せば怒られる率のほうが高い。
いつだか、宇宙研究所のようなところに勤めている人から、
自分はまっとうな研究者だが、
アズ直子の本の内容は悪くないが、バッチフラワーレメディのように、
根拠のないものを勧めるなんて自分の価値を落としている。
・・・・というような連絡があった。
それから一層気をつけるようになった。
「出かけたくない」と言えば、迷惑に思う人がたくさんいる。
私の本当の気持ちは、人にとっては迷惑。
ただでさえ嫌われているのに、
これ以上、人からとやかく言われる理由を増やしたくない。
でもどうなんだろう。
講演会では許してくる人もいた。
誰にでも喜ばれる無難な過ごし方、そのノウハウは絶対に必要。
それを心血注いで本にも書いたし、
それにしたがって生きてきたら、今私の生活は昔に比べて天国のように過ごしやすい。
でもどうなんだろう。
本当に私という人が幸せになるためには、
取り繕ってばかりの生き方って、
本当に疲れるし、
9割、人目を考えて生きているというのも、
まるで自分の人生ではないような気持ちにもなる。
私が道を歩いていれば、こんなようなのが時々目に入る。
これは荒川で見たたぶん幽霊。
広い広い川の向こう岸にいるのに、
見えるはずない顔立ちがまず目に飛び込んできた。
この世のものではないものは、
縮尺がまずおかしい。
大きすぎる目、長すぎる手。
私が本当に話したいのは、実はこんなことなんだ。
アスペルガーなんて説明できないことばかり。
なのに説明しなければいけないことが面倒くさい。
本当は何を感じていて、
どうしていたら幸せかってことのほうが大事な気もするけれど、
それはたぶん、社会といわれるものの中では許されない。
がまんの仕方を探すだけだと思っている、本当に。
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1936年に医師であるエドワード・バッチ博士により完成された、
伝統的で信頼性の高いメソッドです。
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アスペルガー・発達障害の影響による生きづらさを、
私は1998年よりこのメソッドでケアしていきました。
専門的な勉強ができる講座を広尾88アカデミーで開講しています。
アスペルガーと似ている状態には、
認知症でも、貧血でも、老化でも、愛情不足でも、教育不足でもなります。
薬があるわけではないので、
生活習慣や人間関係の工夫など、共通の対策でずいぶん楽になります。
私がお伝えする事に、
「私と似ている」と思う事がひとつでもあれば、
このブログはとても役立つはずですから、ぜひ継続して読んでください。
ランキングの順位があがると、
より多くの人に私の思いが伝わります。
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