アスペルガー経営者のアズ直子です。
今日は、
「海外生活、枠が外れた感覚と日常生活の葛藤もあるよ。」という話。
2016年1月中旬、遅いお正月休みということでオーストラリアのメルボルンに来ています。
この時期、テニスの全豪オープンでホテルは混むは料金は高いはで、
来るのは2回目ですが、もっと早い時期に来ればよかったと思う。
行く行かない迷っているうちにギリギリの時期になる。
本当、決断が遅いというのは損につながります。
飛行機で中継地のブリスベンまで8時間、
そこからオーストラリア国内線に乗り換えて3時間。
遠いし文化圏も全く違う、季節も南半球は冬と夏が逆転しますから、
出てきた日本は1年で最も寒い時期でも、メルボルンは真夏です。
焼けつく日差しに心身びっくりしています。
海外旅行はいいですね。
日常生活からいっとき離れられますし、
遠くであればあるほど、違う言葉、人種、生活スタイルなど、
「非日常」を楽しむことができます。
アスペルガーなどの影響で、日本で人づきあいなどもうまくいかず、
生きづらくて悩んている人に向けて、
講演会では「海外旅行や生活で視野を広げる大切さ」をお伝えしています。
日本で「普通ではない」と非難されることも、違う国では許容範囲だったりする。
日本は特に「みんな同じがよい」という平均化を求める国ですから、
そのことが海外経験を経て冷静に理解できるようになると、
ちょっと氣が楽になったりもします。
「空気を読め」という、言外の意を悟るのが大切という日本の風習もあれば、
「はっきり言わないとわからない」と主張の大切さを重視する国もあります。
どちらがよいか悪いかという優劣ではなくて、
「生活場所によって価値観がこんなに違う」ということがわかると、
日本のルールになじめない自分を全否定することがなくなるのです。
様々な異文化交流に慣れている人は、アスペルガーあしらいもうまいことが多い。
自分の「常識」と違う人種が現れたときにも、違う事に慣れているので、
うまくいく方法を上手に探る習慣が身についているのです。
ですから私の場合、私自身に海外生活の経験があったことと、
夫と娘にもその機会が私以上にあったことがとても有利に働きました。
ちょっとした海外旅行でもいいですし、横浜中華街のようなところでも十分に感じることができます。
「異文化交流」のチャンスをぜひ求めてみてほしい。
そのことで楽になることができるので、
やはり視野を広げるということは大切なことなのだと思います。
そしてもうひとつ伝えておきたい大切なことがあります。
私が19歳のときにはじめて中国に旅行をし、その後留学したときには、
それはそれはわくわくしました。
外国語を話せる自分も誇らしかったですし、
目にするものすべて、経験したこともない異文化です。
万里の長城や紫禁城のような雄大な歴史建造物にもときめきましたし、
まったく価値観や生活様式の違う中国人との交流が、
本当に日々エキサイティングでした。
でも、1ヶ月の旅行、そして1年を超える留学生活、その後家族の5年を超える駐在生活の中で、
こんな葛藤も生まれるのです。
「ゲストとして楽しむ先には、やはり日々小さなことの積み重ねしかない。」
留学時代に、少し生活に慣れて中国語の猛勉強をしていたころ、
こんなことがありました。
いくら現地で暮らしているとはいえ、語学は魔法のようには身につきません。
ひとつひとつの単語を覚える、文法を身につける、
そして間違いを気の遠くなるような回数正しさ出されながら、それでも日常会話すらままならない。
大きな世界に飛び出したはずが、ここでも「毎日の積み重ね」を突きつけられるのです。
勉強しすぎて朦朧とし、目に入るものすべて中国語に変換してつぶやくような日々でした。
そしれ口にしている単語が、「パン(面包)」・・・。
毎日食べるあの「パン」です。
そのことに気がついたときに、何かがっかりしたような気持ちになりました。
世界に飛び出したはずが、目の前にあるのは「パン」なのです。
日本で生きづらい人が海外留学を考えるのは悪い選択肢ではありません。
それで活躍している人もたくさんいます。
でも期待しすぎないでください。
行くだけでよいのなら、私がいましているような物見遊山でよいのです。
そのことを理解したうえで、ぜひ活動場所を広げてみてください。
好きな国、なじめない国、
同じ国の中でも街によって受ける印象は全く違います。
自分にあった居場所を見つけるときに、選択肢は多いほうがよいと思うのです。
日本も悪くない、大好きですが、
日本の特色はかなり個性的で際立っている。
さらに県民性もあります。
全国を講演会でうかがっていますが、思っているよりずっと、
県民性は強く、生活や価値観に影響を及ぼしています。
海外でなくても、他県に引っ越すだけで楽になる気持ちもあるのかもしれません。
質問したくても人に遠慮をして手を上げられない県。
係長、課長、部長のような対面を大事にしないと、
小さなことすら決められない県。
おおらかな県もあれば、細心の礼儀作法がないと問題が起きる県もあります。
国も街も生き物です。
そこにそもそも合わない可能性を考えるのは人生の突破口を見つける、
ひとつの手段になるのではないかと思います。
(生きづらさを軽くするアズメソッド総合案内)
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(読者の皆さまへ)
アスペルガーと似ている状態には、
認知症でも、貧血でも、老化でも、愛情不足でも、教育不足でもなります。
薬があるわけではないので、
生活習慣や人間関係の工夫など、共通の対策でずいぶん楽になります。
私がお伝えする事に、
「私と似ている」と思う事がひとつでもあれば、
このブログはとても役立つはずですから、ぜひ継続して読んでください。
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