【発達障害】小学生の朝は「落ち着く時間」を十分にください

私が小学生の頃、起床時間は6時半、そして出かける時間は7時45分でした。起きてから出かけるまでの時間は1時間15分。その時間で、着替えて、顔を洗って、当時長かった髪の毛を結んでもらって、朝ごはんを食べて、トイレに行って・・・今思うとこれではとても時間が足りません。毎日のことだから慣れていくとしても、かなり急ぐ印象の時間です。

 

ではどのくらいの準備時間があったら良いのでしょうか?大人になった私でも、外出の前に必要な準備時間は最低でも2時間です。もっとあってもいいくらい。

 

身支度や持ち物の確認に必要な時間だけを考えれば、そこまでたくさんの時間は必要ありません。必要だと思うのは、「落ち着く時間」です。

 

そもそも、家族全員にとって慌ただしい朝に、出かけるまでギリギリの時間しかないと、それだけで気持ちは落ち着かなくなります。段取りで頭はいっぱいになり、「早くしなさい!」などと急かされればドキドキします。

 

時間に余裕がなくて、慌ただしくて、家族全員が急いでいるピリピリした時間、この雰囲気をまず変えてみてはいかがでしょうか。家族全員に時間に十分余裕があって、そんなに慌てなくても大丈夫な時間になれば、周囲の雰囲気に敏感な発達障害のお子さんも、気持ちはかなり楽になることでしょう。気持ちが楽になれば、落ち着いて身につけられることも増え、やがては外出の支度もだんだんと自分でできるようになっていくことでしょう。

もう一つは、気持ちの問題だけではなくて、物理的に落ち着くための時間が必要です。

 

朝食について、食べたほうがいい、食べない方がいいと様々な意見があるようですが、私は食べられた方がいいと考えています。空腹は集中力や忍耐力に大変影響します。小学校の活動は昼食前に集中します。体育などの運動時間もあるのですから、空っぽの空腹はやはり体調や情緒にとってよくないと思うのです。また、大人のように自分の判断で、自由に小腹を満たすことも小学校ではできません。

 

過敏体質であることが多い発達障害者にとって、食べることは「刺激」です。飲み食いをすれば、腹痛や気分不快が起きることもあります。トイレに行きたくなるきっかけにもなります。食べ過ぎにならないよう量を調節したり、刺激物や利尿作用が強いものを避けたりするなどの工夫をした上で、食べた後にお腹が十分に落ち着くための時間が必要です。

 

また、時間がなければ後回しにしてしまいがちな排泄ですが、特にお通じの悩みが学校で起きると、心身ともに大変な負担になります。一日おトイレの悩みが起きずに済むように、朝、しっかりと排泄を待つ時間も必要です。

 

そのほかにも、持ち物の確認や、朝になにかハプニングがあっても、体調や気持ちを立て直す、落ち着く時間があらかじめ準備されていれば、何があっても学校に行かれないほどの打撃を受けることはありません。急ぐあまりに負荷のかかる朝を毎日過ごすか、早起きは大変だけれども、心地の良い朝を過ごすかで、小学校であれば6年間の質が変わってくると思うのです。

 

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