発達障害者が面接に受かる、アスペルガー社長からの提案。

セラピスト養成スクール、広尾88アカデミーのアズ直子です。

 

ふと思った、

「 社長はどうして発達障害者を雇わなければならないんだろう?」という話。

と書いても読んでもらえないと思い、

「発達障害者が面接に受かる、アスペルガー社長からの提案。」にしました。

 

「アスペルガーですが、妻で母で社長です。」という本を出版しました。

 

「アスペルガー」ということでとても注目していただいているけれど、

それ以上に私にとって一生懸命考えなければならないことは、

妻で母で社長として、

何をしなければならないかということです。

 

「アスペルガー」のことなんかに実は興味を持ちたくもなく、

 

本当は、

どうしたら家庭生活がうまくいくか、

もっと気になっているのは、

どうしたら私の経営するこの小さな会社を維持していくことができるかということです。

 

発達障害や、私の冠であるアスペルガーについて、

学び、語るのは、

発達障害への見識を深めたいのではなくて、

実生活をどうしたらうまく送れるか、その解決法が欲しいからです。

 

よく、「企業にはもっと発達障害について理解をして欲しい」という要望を聞きます。

でも、「発達障害者にはもっと企業のことを理解して欲しい」という言い分はあまり聞きません。

 

確かに、学校でも職場でも、発達障害についての理解や対策は浸透しているとは言えません。

ですから、私のようないち当事者の経験談に、

こんなにも多くの方が耳を傾けてくれるのです。

 

でも、コミュニケーションは双方向です。

どちらか一方が頼り切るのはフェアではありません。

 

与え、与えられる、「お互いさま」の構造でなければ、

よいおつきあいが長く続くことは難しいと思うのです。

 

損得勘定だけ人間関係を測るのはドライなようですが、

誰かの負担が増える関係は本当に長続きしない。

つながることでお互いにいいことがある関係でないと、

どちらかが疲れ、やがて離れていくことになってしまう。

 

就職活動がテーマでした。

 

「発達障害について理解してほしい」

 

では、その思いと同じくらいに、

「この会社のこと、社長さんのこと」を、

理解してくれている発達障害者はいるのでしょうか。

 

とおり一片の会社案内レベルではなくて、

どんな思いで、どんな人が、どんな苦労をして築き上げてきた会社で、

そしていまこの会社が必要としている力、

悩んでいることや、困っていることを考えてくれている人はいるのでしょうか。

 

「私はデザインが得意なので、チラシや名刺が作れます」というPRを聞くとします。

 

確かに、チラシも名刺も必要ですが、

お給料もいる、気も使う人に頼むより、

キンコーズやアスクルなどの印刷サービスを使えば、

もっと安く、早く、面倒くさくなく、

そうした配布物を手にいれることができます。

 

他でも簡単に手に入るものなのに、

発達障害者にそんな仕事を頼んだら、

 

あれもこれも配慮しなければならない、

その「理解」のために本を読んだり研修を受けたり、

話し合う時間を割かなければならないとなれば、

その人の存在は、会社にとって赤字です。

 

大きな会社のシステムや事情は知りませんが、

私の会社で、私という社長が困っているのはこんなことです。

 

毎朝の掃除に1時間以上かかる。トイレはたくさんの人が使うので特に念入りな掃除が必要。

文房具や掃除用具、備品に目をくばり、発注するのが面倒。忘れるともっと面倒。

インターネットが弱く途切れやすくなって困る時がある。

本や資料がどんどん増えていくのでかたづけが大変。

この物件を借りるのに審査厳しかった。きれいに使いたいのにみんな結構汚す。

本当にたくさんの方からの入金があるので、記帳やお礼の連絡が大変。

パソコンが苦手なお客様が多く、本題のビジネス講座の前にそのサポートが大変。

スケジュールや場所の管理が大変。パズルを組み立てるように複雑。

道に迷うお客様が多いので、ご案内ときにはお迎えが大変。

人前に出るのに服やメイク、髪の毛のことがいつも面倒、お金もかかる。

疲れてくると殺伐とした空気になる。笑顔を維持するのも意識的にしないと。

来るはずの入金こない、ひとり1万円も10人になれば10万円。連絡大変。

とにかくお金、資金。

家賃と経費だけで50万円以上必要。1時間も無駄にしないで早く今月必要な経費を捻出しないと。

 

全体的にいたわっていただくことは多くても、

こうした悩みのひとつひとつまでは、理解していただけることはありません。

 

まだ、人にお給料をお支払いして、

時間をかけてできるようになっていただく体力が私の会社にはありません。

 

でも日々こんなことで、奔走しているなか、

あれが辛いこれが苦手と訴える人が来たときに、

同じハンディを抱える仲間ですから、協力しあたら最高だけれども、

その前に、私は全くその余裕がないという現実があるのです。

 

いま以上負担が増えたら、つぶれてしまう。

 

中小の会社で楽々なところなんてありません。

お金持ちで楽々の社長さんなんて一握りです。

 

雇う側にも、発達障害以上の「生きづらさ」や「必死さ」があるなかで、

それをせめてわかろうとしてくれる就労希望者がどのくらいいるだろうと思います。

 

私の悩み全部に応えて欲しいとは思っていません。

でも、理解してもらいたいのは、お互い様だということです。

 

発達障害の有無は、お仕事をするのにあまり関係ないと思っています。

発達障害者は働けないという理屈なら、

私の生き方全否定になります。

 

でも、お仕事をするということの基本は、

相手の悩みを、自分ができることで解決してお金をもらうことに他なりませんから、

 

「理解はお互いに」という土俵に乗れない人は、

社長として雇いたくないと思うわけです。

 

自営業ならもっと大変です。

 

お客様の悩みに寄り添って、自分の力を発揮できなければ、

なんの商品もサービスも売れません。

 

会社にいれば、いる間はお給料もらえますが、

自営業なら1円もいただくことはできません。

 

あなたが何が苦手で、何ができるかなんて関係なくて、

 

会社のために、お客様のために、

いったい何をしてくださるのかを示してもらえないと、

お仕事という接点はいつまでたっても見えてこない。

 

私がこうしたことを考えるようになったは、

自分が経営者になって、経営者の痛みを自分で知ってからです。

 

それまでは想像もつかず、

ただただ、自分の都合で居心地がよくない会社に、

文句ばかりをぶつけていました。

 

中国語もできる、貿易実務もできる、営業もできる、

 

できるけれども、

会社にとって、悩みを解決するどころか、

揉め事や悩みを増やしてばかりだったので、全部クビになりました。

 

役に立てたのが100くらいとすれば、

悩み事を増やしたのが10倍以上の1000レベル。

 

これでは働けるはずもありません。

 

「発達障害について理解してほしい」と声高にいう前に、

 

面接を受けようと思う会社が、

どんなことで悩んで困って、助けてもらいたいと思っているか、

徹底的にリサーチしてはどうだろう?

 

不器用であっても、このことだけは役に立てると、

一目でわかるように、履歴書に1枚レポートを添付してはどうだろう。

 

面接で語ってはどうだろう?

 

「舐めても大丈夫なくらいの徹底的なトイレ掃除」でも、

悩み事に合致すれば、雇ってもらえるはず。

 

困っているのは発達障害者だけではない。

悩んでいるのは発達障害者だけではない。

 

まして、お給料というお金を取るのなら、なにかをもたらさなくては。

 

「存在が赤字」

 

そこにいる限り、いつまでも必要としてはもらえない。

 

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私は1998年よりこのメソッドでケアしていきました。
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アスペルガーと似ている状態には、
認知症でも、貧血でも、老化でも、愛情不足でも、教育不足でもなります。
薬があるわけではないので、
生活習慣や人間関係の工夫など、共通の対策でずいぶん楽になります。
私がお伝えする事に、
「私と似ている」と思う事がひとつでもあれば、
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