アスペルガーにもできる、気が利かない人が変わる方法

先日、会社のスタッフとこんな話をしました。

 

「果たして、気が利かない人が気が効く人に変わることはできるのだろうか?」

 

起業当初、横浜の私の自宅一室で始めた在宅仕事から、渋谷区広尾にオフィスを構えて引っ越してきて、お仕事の幅がとても大きく広がりました。そして、とてもたくさんの人と一緒に働けるようになったのです。 これはて幸せなことであると同時に、私にとっては大きなチャレンジでした。対人関係が極めて苦手という特質を、アスペルガーとして強く持っていますから、複数の人と一緒に働くということは、一過性のチャレンジではなくて、この環境が続く限り毎日強いストレスがかかるということです。

 

でもそれをがんばる意味はあると思いました。

 

「果たして、気が利かない人が気が効く人に変わることはできるのだろうか?」

 

これは私自身についての問いかけでもあります。大学卒業後、日本らしい会社、外資系企業、ベンチャー企業と、どんなところに勤めてもうまくいきません。中でもよく言われたのが「気が利かない」。一体何をすればいいのか、してはいけないのかわからない。”空気が読めない”と言うキャッチフレーズがアスペルガーにはついて回る通り、私にははっきりと指示されないことを察して適切な行動をとることがとても難しく感じます。

 

そんな私が、今度は人と一緒に、しかもアルバイト料などを支払う立場で関わることになって、ようやくわかってくるのが、気が利かない人への苛立ちや落胆。そして「こうしてほしい」と言う要望です。自分が経験してようやく心底わかるのです。迷惑をかけていたことと、「こういう風に動けばよかったんだ」という指針が。

 

例えば、気が利かない人に対してこんなことが気になっていました。

 

・チャイムがなっているのに無視。
・はじめてここに来たお客様が居心地悪そうにしているのに声もかけない。
・すごく疲れているときに、今ではなくていい質問をし続ける。
・トイレなどに汚れがあってもそのまま。
・備品など、自分が最後の1つを使ってなくなってもそのまま。

 

こんな風にして欲しかった。

・チャイムに一番近い人がさっと取ってほしい。
・不安そうな人がいたら、安心するよう声をかけてあげてほしい。
・たくさんの質問は、気力体力があるときにしてほしい。
・その人が通ったあと、きれいになっているとうれしい。
・備品なども気がついたら補充しておいてほしい。

 

気遣ってほしいことは無限にあるのですが、ゴールは「心地よく過ごせる空間と時間を保つ」こと。言ってくれればやるのにと思われがちですし、私もそう思っていましたが、人に指示を出し続けるということにとてもパワーを使うので、自分で気がついてほしいですよね。マニュアルを完備するという方法もありますが、そうすると全てのことにマニュアルを作らなければ動けないのかと思うと気が遠くなります。

 

私は発達障害の影響もあり生来不器用な方です。空気を読めないのがアスペルガーですから、私こそがこうした気遣いがとても苦手です。スタッフの中に、商家に生まれ育った人がいるのですが、子どもの頃から気遣いの中で生きてきているので、髪の毛一本、ほつれていることも落ちていること気付いて直す人です。いくつかの原因があって、気が利く人と利かない人に分かれていくと思うのですが、できれば「気が利く人」になって、働くことに生きがいを感じられるようになれたら幸せです。

 

スタッフで話し合った結論は、「どんなにもともと気が利かない人でも、練習で気が効く人になれる」というものでした。漫然と過ごしていてもそれは無理で、こんな練習が必要だと考えます。

 

 

・同じ場所で同じことを、毎日繰り返し練習すること。

 

 

簡単なことから、ひとつからでよいので、することも、ものの置き場や出入りする人が変わらない同じ場所で、繰り返し繰り返し練習をすること。時間はかかるのですが、それで必ずひとつやふたつのことができるようになります。コツをつかめれば、根本的に動ける人に変わることができます。

 

どんなときに人が助けを必要とするのか、どうやってそれを察知するのか、そしてどう動くのかを、ひとつの場所で身につければ、後々どこに行っても気を利かせられる人になれます。

 

もうひとつ必要なのは、

 

・注意してくれる人の存在

・・・です。

 

気が利かない人は、そもそも細かいことに気がつきません。人が困っていても、何か環境が乱れていても、自分が失敗をしていても、そのことに気がつかないので、それを指摘してくれる人の存在が不可欠なのです。私にとっては、経営難のときに勤めた介護施設がそんな成長の場になりました。

 

毎日淡々と業務をこなしますし、人の命に関わるので、ずいぶん注意も受けました。そのおかげでいま、少しは動ける人になれています。たまに「気が利く」と言ってもらえることも、「空気が読めている」と言っていただけたこともあります。これはアスペルガーにとっては奇跡です。

 

この頃は、生き方の選択肢が多い。「ニート」など、働かない人の受け皿的な立場もあるので、ひとつの職場に長く勤める人が減ってきていると聞きます。そして、自由や自分らしさが求められる中、口うるさい教師や上司、お姑さんなどがうとましがられます。本当はそうした場所や人が必要なのではないかと思う。

 

ある学校の先生が淋しそうにおっしゃっていました。

「教師はかつては人を育てる製造業だったのに、最近はサービス業になってしまった。」と。

 

いまからでも「気が利く人」になってみたい人は、ぜひこうした訓練のチャンスを探してみてください。

 

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